株式会社自由教育

不登校のよくあるお悩みfaq

不登校のよくあるお悩み

  • Q.子どもに不登校になった理由を聞いても答えてくれません。どうすればいいでしょうか?

    A.

    この場合、子どもが不登校になった理由を親に「話したくない」と考えているのか、「そもそも理由が分からないから話せない」のか、そのどちらなのかを見極めるのが、まず非常に困難なことであるということをご理解いただけたらと思います。

    子どもの中で不登校となった理由が明らかであるときでも、それを親に話したいかどうか、というのは不登校になった理由にもよりますし、親子の関係性にもよります。なにより子どもの性格によるところが大きいと思います。
    ついつい心配で、話したくないと思っている子どもに対してしつこく聞いてしまうと親子の関係性が悪化したり、子どもからの信頼度が下がってしまったりと、今後の展開にも悪影響が出る可能性は大いにあるでしょう。

    次に、話さないのではなく「話せない」場合についてです。不登校に限らず、人生には「何故だか分からないけど気が付いたらそうなっていた」ということが多いと思います。それと同じで不登校になったときに、その明確な理由を理解できている子どもというのは意外に少ないものです。
    分からないものは答えられないわけですが、それを聞かれ続けられるとどうでしょう。当然いらだってくると思います。いらだつのはまだいいほうで、人は分からないことを聞かれ続けると「嘘をつく」ことが多いのだそうです。

    つまり回答に窮して、不登校になった理由をでっち上げてしまうのです。そして嘘をごまかすための嘘をつき続けなけれならなくなります。嘘をつくと心は傷付き、自己肯定感はどんどん下がっていきます。
    こうしてみると、親が子どもに対して不登校になった理由を聞くのは、あまり得策だとは思えませんね。

  • Q.子どもが不登校になったとき、親が最も気をつけなければならないことはなんですか?

    A.

    それは子どもの体力の低下を防ぐことだと思います。多くの場合、不登校になったときにまず精神の問題について意識が払われます。それは心の問題を解決すれば再び学校に行くことができると思われがちだからです。

    しかし長年にわたり不登校の生徒と関わっていると、その子どもたちの体力のなさ、身体能力の低さにどうしても目がいってしまいます。人間は本当に体力が落ちた状態では朝起きることができないばかりか、夜寝ることすらできません。体を起こすことも、服を着替えることも、歯磨きすることも、入浴することも、すべては健全な体があってこそのものです。

    学校に行っているとき、子どもは決して軽いとはいえないランドセルや鞄を背負って学校の行き帰りをこなしています。そして授業中に姿勢を保ち、眠くても起きていて、体育の授業にも出ています。こうした日々の訓練は学力以上に子どもを成長させています。
    不登校になった後、子どもは寝たいときに寝て、起きたいときに起き、姿勢を保つこともなく、運動をする機会も大幅に減ります。こうした日々が何年も続いてしまうと、体力はどんどんなくなっていきます。精神の健全化と体力は切っても切れない関係にあります。

    不登校の状態でも体力を落とさないためにフリースクールに通うことができれば一番良いと思いますが、それができない場合でも毎日子どもと一緒に散歩をする、土日にはどこかに出かけるなど、少しでも体力を使いそうなことをさせるようにしていただきたいです。

  • Q.子どもが不登校になったのですが、どうやったら学校に行けるようになりますか?

    A.

    まず「今、すぐに学校に復帰することが子どもの幸せにつながるかどうか」ということを、保護者さんが考えてみることが第一だと思います。
    学校に行くことの意味は、子どもが今幸せであり、将来も幸せであるために必要なものを学校に行くことで得ていくことができる、というものだと思います。実際、学校に行くことにより学力、体力、コミュニケーション力などあらゆる能力を子どもたちは得ています。

    しかし、子ども本人が自覚できているかどうかは別として、学校に行けないことにも理由があり、子どもが学校にいけないというのは、「今、学校に行くことが幸せではない(と子どもは感じている)」という状態です。保護者さんが「それでも学校に行ってほしい」のかをまず考えていただきたいです。

    それでも学校に行ってほしいのであれば、行けない理由をまず子ども抜きに精査してみるのがよいと思います。学校としっかり連絡を取り、不登校となっている原因について考えます。それから子どもにも原因を聞いてみるのがいいと思います。問い詰めるのではなく、傾聴することです。そこで、解決ができるようであれば、問題を解決し、学校復帰をうながしていけばいいでしょう。

    しかし原因が分からない場合、解決ができない場合には、無理に学校に戻そうとするとそこで新たな問題が起きることが考えられます。たとえば家族や学校への不信感が大きくなることで自分を閉ざしてしまえば、その先何年も不登校が継続するリスクも出てきます。また、負担をかけることで子どもの人格まで変わってしまうことも考慮する必要があります。大切なのは、「無茶はしないこと」ではないでしょうか。

  • Q.学校への行き渋りが出た場合、どう対応したらいいでしょうか?

    A.

    実際は、子どもが学校に行きたくないと言い始めた時点で、子どもの中では相当な困難があると考えるべきです。行き渋りが出た時期を「不登校の初期」と考える人もいますが、私は行き渋りが出た時点で、問題はとても深刻になっていると考えています。そのため、行き渋る子の訴えを軽く考えて、叱って学校に行かせるのは避けてほしいところです。まず行きたくない理由をじっくりと聞いてあげてください。コツとしては焦りを見せないこと、答えを押し付けないことです。行き渋りが出た時期、子どものなかで「困り感」が出ているのは間違いないですが、それはまだ「言語化できるレベル」だと思います。

    ここでしっかり聞いてあげず、叱って学校に行かせてしまったり、説得して学校に行かせてしまったりすると、そのときは学校に行けても、次に行けないとなったときに、新たな行けない理由が増えている可能性があります。
    そこに以前からの困り感が合わさって、行けない理由が複合的になってしまうと、子どもの中でどんどんと行けない理由が複雑化して、ついには言語化できないものになります。「不登校は初動が大切」と言われます。この初動は休み始めた時期ではなく、行きたく無さそうにしている、行きたくないと言い始めた時期のことです。

    このときに親御さんが子どもの気持ちを拾い上げてあげることができれば、行き渋りがおさまることも考えられます。また、行き渋りが出たとき、親御さんは自分だけで問題に立ち向かおうとせず、専門家に意見を求めるのがいいでしょう。不登校になってから初めて専門家に相談する人が大多数ですが、それだと遅いと言わざるをえません。

  • Q.子どもが不登校の時期の「学力問題」はどうするべきでしょうか?

    A.

    A. まず前提として、同年代との学力差が付きすぎてしまうと、学校復帰のバードルが段階的に高くなってしまう、というのは事実だということです。「浦島太郎」という昔話があります。このお話しの中で、浦島太郎は竜宮城で楽しく過ごしている間に現世で時間が経ちすぎてしまい、太郎は戻ったとき、環境変化に対応することができませんでした。そのため絶望して玉手箱を開けてしまいました。環境の変化とは、このように生きていくのすら辛くなるくらいに人の心にダメージを与える可能性のあるものです。不登校の子どもにとって、学校の環境が刻一刻と変化していることは、学校復帰を踏まえた上で大きなリスクとなります。その変化のひとつとして、「学習内容の変化」があり、学校に復帰してもついていけず、再び学校に行けなくなる子どもは少なくありません。

    しかし、学力問題は数あるリスクのうちの「ほんのひとつ」に過ぎません。浦島太郎は、環境が変化したことに絶望したのではなく、環境変化に自分がついていけないことに絶望したのです。

    つまり、学力的についていけないから学校に行けないのではなく、学力的についていけない状況や自分自身を許容できないために学校に行けないわけです。そう考えると、不登校時期の学力問題は、「そこそこ」でよいと思います。

    週に1回程度家庭教師をつける、親御さんがたまに勉強を見てあげる、など色々な対策があると思います。それよりも、親御さんが大切にすべきは、環境の変化に対して柔軟に対応できる力(レジリエンス)を身につけさせてあげる方法を考えることが大切です。
    フリースクールは、学校ではありませんが、環境が刻一刻と変化している場です。その日々の環境変化に子どもが対応できるようになれば、学校復帰しても大丈夫だと思います。学力問題はその後からでも、私は遅くないと思っています。

オンライン面談はコチラ

資料請求、ご相談やご見学など、
お気軽にお問い合わせください